A型インフルエンザウイルスについて
A型インフルエンザウイルスは、インフルエンザウイルスの中で最初に発見され、流行の規模や感染時の被害が大きいため、もっとも研究が進んでいる。
病原性
A型インフルエンザウイルスは、ヒトの呼吸器に感染してインフルエンザの原因になる。また、高病原性のトリインフルエンザウイルスがニワトリなどの家禽類に感染するとトリインフルエンザを起こす。
ヒトやブタなど哺乳動物のインフルエンザにおいて、インフルエンザウイルスは発症した患者の気道上皮細胞で増殖する。ウイルス粒子は咳やくしゃみをしたときの唾液などの飛沫に混じって放出され、それがエアロゾルとなって、他の患者の気道に再び感染するという飛沫感染が、主な伝染の様式である。
一方、鳥類のインフルエンザにおいては、ウイルスは消化管の上皮細胞で増殖し、新たに作られたウイルス粒子は糞に混じって排出される。これが乾燥して飛沫になったり、あるいは水を汚染して再びトリの体内に感染するという糞口感染がトリインフルエンザでは主な伝染経路となる。トリからブタへの種を越える感染のときもこの糞口感染が主な感染経路だと言われている。
ヒトのインフルエンザでは呼吸器症状の他に、一部の患者で合併症を起こすことがある。主な合併症は肺炎と脳炎(インフルエンザ脳症)である。肺炎については細菌との混合感染による場合が多いが、本ウイルスによる原発性ウイルス肺炎や続発性肺炎が起きることもある。細菌との混合感染は黄色ブドウ球菌、肺炎レンサ球菌、インフルエンザ菌による場合が多いが、特に黄色ブドウ球菌の場合はHAの開裂を促進するために重篤化しやすい。
脳炎は1-5歳の乳幼児を中心に見られ致命率は20-40%に及ぶが、このとき脳神経細胞でのウイルス増殖は認められず、脳炎の起きるメカニズムはまだ判っていない。
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